1万円の価値は1万円か?
前回の記事では、どんなものが資産や負債なのかを紹介しました。今回は、資産や負債の金額をどのように測定すればいいのかを考えましょう。

現金であれば、価値を測定するのは簡単です。1万円札の価値は、1万円でいいでしょう。そのままです。では、貸付金の価値はいくらでしょうか?来月1万円返してもらえるとき、その価値を1万円としてもいいでしょうか?手元にある1万円札よりは価値が低そうですね。

資産の価値を測定するにはいろいろな方法がありますが、「割引現在価値」という方法を使って資産を評価してみましょう。



割引現在価値とは?
将来のお金を、現在の価値に置きかえようというのが、割引現在価値です。今1万円持っていれば利子を得られるわけですから、1年後には1万円から増えているはずです。だから、1年後に得られる1万円よりも、今の1万円の方が価値が高いといえます。

ここで問題なのは、1年後の1万円は、今の何円に相当するかです。

ここからは、分かりやすくするために金利が10%だとしましょう。お金を預ければ1年後に1.1倍に増えるという状況です。もし、今9091円(10000円を1.1で割った値)を預ければ、1年後に1万円になっています。

ということは、1年後の1万円は、今の9091円に相当するといえます。このようにして、将来の金額を現在に置き換えるたものを割引現在価値といいます。(ちなみに、金利の10%を割引率といいます。)

毎年の収入を現在価値で評価して、合計する
では、建物や工場の価値はどのように評価すればいいでしょうか?固定資産の評価にはいろいろありますが、今回は割引現在価値を使って評価してみましょう。

資産というのは、「将来現金を生み出すか、現金の支出を減らすもの」でしたね(詳細はその1を参照)。なので、どれだけ現金を作り出す力があるかで資産を評価します。

例えば、賃貸に出すことで毎年100万円を生み出す建物があるとしましょう。この場合、来年の1万円は約91万円(100万円÷1.1)になるのは上で説明したとおりです。再来年の100万円も同様にして、約83万円(100万円÷1.1÷1.1)と求めることができます。さらに、3年後の100万円は75万円になります。

このようにして毎年の現金収入を求めて、それを全部足し合わせればいいのです。仮に30年間貸し出せるのだとすれば、その建物の価値は943万円と算定することができます。

貸し出して家賃を得る場合を考えましたが、自分で利用するときも結果は同じになります。というのも、建物を所有していれば他人から借りる必要がなくなりますので、現金の支出を減らすことができます。この支出の減少分を同じように、現在価値にして合計すればいいのです。



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