「学振を取ったあとに待っている良いこと」もぜひお読みください!
3行要約
・学振に採用されると1000万円もの資金を得られる
・研究遂行能力が審査される
・将来科研費の応募にも役立つので、かならず学振に申請しよう
学振について噂程度しか知らない人のために、制度について簡単に説明します。学振とは、日本学術振興会の特別研究員のことです。特別研究員に採用されると、年間240万円の研究奨励金と最大150万円の研究費を受け取ることができます。
研究奨励金は実質的に給料で、使途は完全に自由ですし、所得税や住民税の課税対象にもなっています。研究費はその名の通り、実験設備や学会出張旅費など研究のために使用する資金です。
募集区分はDC1とDC2があり、応募資格はDC1はM2の学生、DC2は博士の学生です。任期はDC1で採用されるとD1~D3の3年間、DC2で採用されると採用後2年間です。
DC1であれば総額1000万円近く、DC2でも600~700万円程度の資金を手に入れることができますので、学生に対する支援としてはかなり充実しているものです。ですから、指導教員や先輩も学振に応募することを勧めてきますし、これを取得することを望む学生も多いのです。
そういう魅力的な制度ですので、ぜひ応募したいと思った方もいるでしょう。が、その応募書類がかなり大変なのです。分量は下記の通り、トータルA4で7枚分です。
これまでの研究状況 1.5枚
これからの研究計画 0.5枚
研究目的・内容 1枚
研究の特色・独創的な点 0.5枚
年次計画 1枚
人権の保護及び法令等の遵守への対応 0.5枚(該当者のみ)
研究成果等 1枚
研究者を志望する動機、目指す研究者像、自己の長所等 1枚
普段の研究と同時並行で進めなければなりませんの、準備期間はおよそ2か月は見ておくべきです。
というように、研究計画を重視していることが明記されています。〔審査方針〕 特別研究員-DC1、特別研究員-DC2
1. 学術の将来を担う優れた研究者となることが十分期待できること。
2. 研究計画が具体的であり、優れていること。
3. 研究計画を遂行できる能力及び当該研究の準備状況が示されていること。
出典:平成31年度(2019年度)採用分募集要項
うちの研究室には学振を取った先輩がいないよ、という場合はどうしたらいいでしょうか?筆者の場合も研究室で学振第一号です。それでどうしたかというと、学部時代のサークルの先輩を頼りました。筆者は経済学ですが、頼った先輩は化学です。学振の書き方は学部ごとにそう変わるものではありません。専門外の人に見てもらったほうが、客観的に見てもらうこともできます。
サークルや部活でなくても、隣の研究室など、どこかから学振を取った先輩を見つけてきましょう。こう言ってはなんですが、研究能力がある学生ではなく、文書作成能力がある学生が勝つのです。
落ちても損はありませんから、博士に進学を予定している学生は、ぜひ頑張って書いてもらいたいと思います。
みなさまに大切なお土産を差し上げます。学振採用時の申請書です。私のホームページにありますので、下のリンクから飛んでください。